声がかすれる・枯れるときの対処法は?原因や受診目安も解説

声がかすれる・枯れるときの対処法は?原因や受診目安も解説

声がかすれるのは、医学的に『嗄声(させい)』と呼ばれる状態です。

カラオケでの歌い過ぎや風邪といった一時的な原因で起こることが多いものの、声帯ポリープや慢性的な炎症、さらには喉頭がんといった深刻な病気が隠れている可能性もあります。

声のかすれを早く治し、悪化を防ぐためには、適切な対処法を知ってすぐに実行することが大切です。

この記事では、声がかすれるときの対処法について詳しく解説します。

声がかすれるときに考えられる原因や病気などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

声がかすれるとはどんな状態?

声がかすれるとはどんな状態?

声がかすれるという状態は、医学的には『嗄声(させい)』と呼ばれます。

これは普段私たちが使っている声とは違った、ざらざらしたり、弱々しく息が漏れたりするような声に変化してしまうことです。

声のかすれが起こると、人とのコミュニケーションが取りにくくなったり、電話での会話が困難になったりと、日常生活にさまざまな影響を及ぼすことがあります。

ここでは一時的なかすれと長期的なかすれの違いなどについて解説します。

声のかすれの特徴

声のかすれには、いくつか特徴的な現れ方があります。

単に「声が出にくい」というだけでなく、かすれ方によって声帯で起きている問題の種類を推測することができます。

声のかすれの特徴の一つが、『がらがら声(粗糙性嗄声/そぞうせいさせい)』です。

これは声に雑音が混じり、ざらざらと濁ったように聞こえる声で、声帯が不規則に振動している場合に起こります。

ほかにも、声のかすれには以下のような種類があります。

声のかすれの種類 特徴 要因
がらがら声(粗糙性嗄声) ざらざらと濁ったように聞こえる声 声帯が不規則に振動している
息漏れ声(気息性嗄声) 息の音が漏れてしまうような弱々しい声 声帯が完全に閉じきれず、隙間ができてしまう
力のない声(無力性嗄声) 声量が小さく張りのない声 声帯を動かす筋肉が弱っている

これらの声の変化は、声帯の振動や閉じ具合といった機能が正常に働いていないことにより起こるものです。

一時的なかすれと長期的なかすれの違い

声のかすれは、症状の続く期間によって『一時的なかすれ』と『長期的なかすれ』の二つに分けられます。

一時的なかすれは原因がはっきりしており、短期間で治まるものです。

例えば、風邪をひいて喉が炎症を起こしているときや、カラオケやスポーツ観戦などで大声を出して声帯を酷使した後に起こるかすれなどがこれにあたります。

声帯が一時的に腫れてしまっている状態では、通常は声を使わずに安静にしたり、水分をしっかりと摂ったりすることで、数日以内、長くても2週間以内に自然に元の声に戻ることがほとんどです。

一方、長期的なかすれには注意が必要です。

これは声のかすれが数週間以上にわたって続き、なかなか改善しない状態を指します。

声帯ポリープや声帯結節、あるいは加齢による声帯の筋力低下など、声帯そのものに構造的な変化が起きている可能性があります。

さらに、喫煙などが原因で起こる喉頭がんなどのより深刻な病気が隠れているサインである可能性も否定できません。

長期的なかすれは自然治癒が期待できないため、「おかしいな」と感じたら自己判断せず、専門医の診察を早めに受けることが大切です。

声がかすれる原因

声がかすれる原因

声がかすれる主な原因として、以下の4つが挙げられます。

  • 声帯の使い過ぎ
  • 風邪や感染症による炎症
  • 飲酒や喫煙の影響
  • 加齢による影響

ここでは上記4つの原因についてそれぞれ解説します。

声帯の使い過ぎ

声がかすれる原因としてまず考えられるのが、声帯の使い過ぎです。

例えばカラオケで長時間歌い続けたり、スポーツ観戦で大声を出して声援を送ったり、騒がしい場所で無理に声を張り上げたりといった行為がこれにあたるでしょう。

声帯は非常にデリケートな粘膜でできており、過度に使われると炎症を起こしてしまいます。

炎症が起きた声帯は、正常なときのように綺麗に閉じたり、細かく振動したりすることができなくなるため、かすれ声になります。

特に仕事で長時間声を使い続ける方は、日頃から声帯に負担がかかりやすく、慢性的なかすれ声になりがちです。

風邪や感染症による炎症

風邪やインフルエンザなどの感染症にかかると、喉全体や声帯の粘膜が炎症を起こし、声がかすれる原因となります。

ウイルスや細菌が喉の奥に感染すると、『急性声帯炎』や『急性喉頭炎』になり、声帯が真っ赤に腫れたりむくんだりします。

その結果、声帯の振動が乱れてしまい、普段通りにスムーズな発声ができなくなり、声がかすれてしまうのです。

感染症の症状が治まれば、この声帯の腫れも一緒に引き、自然と元の声に戻ることが多いです。

しかし、無理をして大声を出したり、咳を繰り返しすぎたりすると、声帯へのダメージが長引いてしまうことがあります。

飲酒や喫煙の影響

喫煙や過度な飲酒は、声帯に悪影響を及ぼし、声のかすれを慢性化させる大きな原因となります。

タバコの煙に含まれる有害な化学物質は、声帯の粘膜を常に刺激し、慢性的な炎症を引き起こします。

その結果、声帯が分厚く腫れ上がって振動が悪くなるため、低くざらざらとした特徴的な『喫煙者声(スモーカーズボイス)』になることがあるのです。

アルコールの過剰摂取も、喫煙と同様に注意が必要です。アルコールは体から水分を奪い、声帯を乾燥させてしまいます。

声帯が乾燥すると正常な働きを保てなくなるため、声がかすれやすくなるのです。

また、飲酒によって胃酸が逆流することで声帯を刺激し、声のかすれを引き起こすこともあります。

加齢による影響

年齢を重ねることも、声がかすれる原因の一つです。

体全体の筋肉が衰えるのと同じように、声帯も歳をとると変化します。

声帯そのものを形作っている筋肉やその周りの組織が少しずつ萎縮することで、声帯の振動が悪くなります。

その結果、声が弱々しく細くなり、高い声が出しにくくなったり、かすれたりするようになるのです。

これを『加齢性嗄声』と呼びます。

自然な老化現象の一つですが、適切なケアやトレーニングを行うことで、症状の進行を遅らせる効果が期待できるでしょう。

声がかすれるときに考えられる病気

声がかすれるときに考えられる病気

長期間にわたって声のかすれが続く場合や、かすれ以外に喉の痛み、飲み込みにくさなどの症状が伴う場合は、声帯やその周辺に何らかの病気が隠れている可能性があります。

考えられる病気は以下の通りです。

  • 急性声帯炎・慢性声帯炎
  • 声帯ポリープ・声帯結節
  • 声帯麻痺
  • 声帯萎縮
  • 逆流性食道炎
  • 喉頭がん
  • 甲状腺の病気

急性声帯炎・慢性声帯炎

急性声帯炎は声帯が急に炎症を起こす病気で、主な原因は風邪などのウイルス感染や、カラオケなどで大声を出したことによる声の使いすぎです。

声のかすれの他に、喉の痛みや咳などの症状が出ることがあります。

声帯を休ませることで数日〜数週間程度で治るとされていますが、無理に声を出し続けると治りが遅れてしまうため注意が必要です。

そして炎症が長期間にわたって続くと、慢性声帯炎になります。

急性声帯炎が完全に治りきらなかった場合だけでなく、タバコの煙や刺激物を頻繁に摂取していること、汚れた空気の吸入などが原因となります。

慢性的な声のかすれが続き、喉の不快感や違和感を伴うことがあるのが特徴です。

慢性声帯炎を改善するには、原因となっている生活習慣や環境を根本的に見直す必要があります。

声帯ポリープ・声帯結節

声帯ポリープと声帯結節は、どちらも声帯にできる良性の腫瘤ですが、できる原因や場所が少し異なります。

声帯ポリープは、声帯の片側にできることが多い柔らかい隆起物です。

急に大きな声を出したり、咳払いをしたりした際、声帯の粘膜の血管が破れて内出血が起こり、それが治りきらずにポリープ状になることが主な原因です。

症状は比較的急に現れる傾向があります。

声帯結節は、声帯の両側にできる硬いペンダコのような隆起物です。

教師や歌手など、長期間にわたって声を酷使し続ける人に多く見られます。

声帯結節は声の使い方の訓練などで改善することもありますが、症状が重い場合は手術が必要になることもあります。

声帯麻痺

声帯麻痺は、声を出すときに声帯を動かすための神経(反回神経)が何らかの理由で麻痺してしまう病気です。

声がかすれてしまうだけでなく、食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまう誤嚥のリスクが高くなることも大きな問題です。

肺がんや大動脈瘤などのほかの病気が原因で起こる場合もあります。

横に並んでいる声帯の片側のみの麻痺であれば、声のかすれが主な症状となりますが、両側の声帯が動かなくなると、呼吸困難に陥るなど重篤な状態になることもあるため注意が必要です。

声帯萎縮

声帯萎縮は、主に加齢が原因で、声帯が痩せて弱くなっていく状態です。

声量が小さくなったり、声が細く弱々しくなったり、高い声が出しにくくなったりします。

また定年退職などで急に人と話す機会が減り、声を使わなくなったことで、声帯萎縮が進んでしまうケースもあります。

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流し、食道の粘膜に炎症を起こす病気です。

胸やけや呑酸(酸っぱいものがこみ上げてくる感じ)が主な症状ですが、逆流した胃酸がさらに喉の奥まで上がってくると、声帯に刺激を与えて炎症を引き起こすことがあります。

この胃酸による炎症が原因で、声のかすれや慢性的な咳、喉の違和感といった症状が現れることがあります。

特に朝起きたときに声がかすれていたり、喉の不快感が強かったりする場合は、寝ている間に胃酸が逆流している可能性が考えられるでしょう。

喉頭がん

喉頭がんは、喉仏の奥にある喉頭に発生する悪性の腫瘍です。

長期間にわたる喫煙や過度な飲酒が主な原因で、特に男性に多く見られます。

喉頭がんの初期症状として特に多いのが声のかすれです。

進行すると、喉の痛み、血の混じった痰、食べ物が飲み込みにくい、呼吸が苦しいといった症状が出てきます。

喉頭がんは、早期に発見して治療を開始すれば治る可能性が高い病気です。

そのため2週間以上声のかすれが続く場合は、すぐに医師の診察を受けることをおすすめします。

甲状腺の病気

甲状腺は喉仏の下あたりにある小さな臓器で、全身の代謝を調節するホルモンを分泌しています。

この甲状腺に病気がある場合も、声のかすれを引き起こすことがあるのです。

例えば、甲状腺に腫瘍ができたり、甲状腺が大きく腫れたりすると、近くを通っている反回神経(声帯を動かす神経)を圧迫してしまうことがあります。

この圧迫によって声帯麻痺が起こり、声がかすれてしまうのです。

首の腫れや飲み込みにくさ、急激な体重の変化などの症状がある場合は、甲状腺の病気を疑う必要があるでしょう。

また、甲状腺の手術後に、一時的に反回神経に影響が出て声がかすれることもあります。

声がかすれるときの対処法

声がかすれるときの対処法

声がかすれるときは以下の対処法を試してみましょう。

  • なるべく声を出さない
  • 喉の保湿・加湿
  • 生活習慣を見直す
  • 炎症を抑える市販薬を服用する

ここでは上記4つの対処法についてそれぞれ解説します。

なるべく声を出さない

声がかすれているときは、なるべく声を出さないようにしましょう。

仕事などでどうしても話す必要がある場合でも、長時間の会話や大きな声を出すのは控えてください。

筆談やジェスチャーを利用するなど、会話の量を減らす工夫をしましょう。

特に注意が必要なのが、ひそひそ話です。

小さな声で話そうとすると、かえって声帯に余計な力が入り、摩擦が増えて声帯を傷つける原因になることがあります。

かすれ声の状態では、普通に話すよりもひそひそ話の方が声帯への負担が大きいため、控えるようにしてください。

喉の保湿・加湿

声帯の粘膜は潤っていることでスムーズに振動できるため、喉の保湿・加湿を徹底しましょう。

具体的には以下のような対処法が挙げられます。

  • こまめに水分を摂取する
  • 室内の湿度を適切に保つ(40~60%が理想)
  • マスクを着用する

水分は一度にたくさん飲むよりも、水や白湯などを少量ずつ頻繁に飲むのが効果的です。

また、加湿器を使ったり、濡らしたタオルを部屋に干したりして、湿度が40〜60%程度になるように調整することも大切です。

部屋自体を加湿しても良いですが、喉に直接アプローチしたい場合は、マスクの着用や家庭用吸入器なども活用すると良いでしょう。

生活習慣を見直す

声のかすれを早く治すためには、日頃の生活習慣を見直すことが大切です。

まずは体の疲れを取ることが重要なため、十分な睡眠と休息を確保しましょう。

以下のようなポイントを意識して生活することが大切です。

  • 十分な睡眠時間を確保する
  • 栄養バランスの取れた食事を心がける
  • 刺激の強い飲食物(香辛料や炭酸飲料など)は控える
  • 喫煙を控える

健康的な生活習慣を意識することで、声帯の炎症を抑え、回復を早める効果が期待できます。

炎症を抑える市販薬を服用する

声がかすれるときは、市販薬を利用するのも一つの方法です。

喉の炎症を抑える成分が入ったトローチやうがい薬などがあり、これらは喉の痛みや腫れを抑え、不快感を軽減するのに役立ちます。

ただし、市販薬はあくまでも一時的に症状を緩和するためのものであり、声のかすれの根本的な原因を治療するものではありません。

市販薬を数日間使用しても症状が改善しない場合や徐々に悪化する場合は、必ず医療機関を受診しましょう。

声がかすれるときの受診目安

声がかすれるときの受診目安

声のかすれは、風邪や声の使い過ぎで一時的に起こるケースが多いですが、中には病気のサインである場合もあります。

特に以下のような状態であれば、医療機関の受診を検討してください。

  • 2週間以上声がかすれている
  • 痛みや息苦しさを伴う
  • 血の混じった痰が出る
  • 食べ物を飲み込みにくい
  • 声が急激に変化した

これらの症状は、感染症が重症化していたり、声帯麻痺や喉頭がんなどのより深刻な病気が進行していたりするサインである可能性があります。

特に呼吸が苦しい場合は、緊急性が高いためすぐに受診しましょう。

喉の保湿・加湿なら「のどモイスチャー」がおすすめ

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声がかすれるときは喉の保湿・加湿をすることが重要です。

直径10~40μmの細かいミストが喉の奥に直接届くため、乾燥によって起こる喉の違和感・不快感を和らげられます。

「喉が弱くてイガイガする」「喉を酷使するためケアしたい」といったお悩みがある方にピッタリです。

軽量・小型サイズで持ち運びできるため、外出先での喉ケアも手軽にできます。

まとめ

声のかすれは、声帯の使い過ぎや風邪による炎症、さらには喫煙や加齢など、さまざまな要因で起こります。

一時的なかすれであれば、声の安静や喉の保湿といったセルフケアで改善することが多いです。

かすれが2週間以上続く場合は慢性声帯炎やポリープ、まれに喉頭がんなどの病気が考えられるため、必ず医療機関を受診してください。

自宅・外出先問わず使える喉ケアアイテムのため、喉を酷使する方や喉ケアに力を入れたい方は、ぜひチェックしてみてください。

記事監修者

日光精器株式会社 開発部執行役員 上村 明

日光精器株式会社
開発部執行役員 上村 明

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